高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症(痛風)とは

高尿酸血症(痛風)とは血中の尿酸の濃度が異常に高くなった状態を「高尿酸血症」と呼びます。
そして、足の親指などの関節で尿酸が結晶化したときに激痛を伴って発症するのが「痛風(発作)」です。数日間歩けないほどの強烈な痛みに見舞われます。
高尿酸血症や痛風は、生活習慣の乱れを原因とすることから、生活習慣病の1つに数えられます。

高尿酸血症(痛風)の原因や症状

高尿酸血症原因や症状、進行の経過をご紹介します。

痛風の発作の原因

高尿酸血症は、ビールなどのアルコールに多く含まれているプリン体の摂り過ぎ、食べ過ぎ、運動不足などを原因とします。痛風は高尿酸血症によって引き起こされる発作ですから、共通した原因を持っていることになります。
その他、魚卵、甲殻類なども、尿酸値が高くなる食品としてよく知られています。

高尿酸血症(痛風)の症状

痛風高尿酸血症そのものは基本的に無症状です。しかし、痛風を発症したときには、足・膝・腰・肩・肘・手など、全身の関節に激痛が生じ、またその関節が赤く腫れあがります。
初め、痛みは一過性のものです。しかしその後、再発を繰り返すたびに激痛を伴う時間が長くなり、慢性化します。

初期には自覚症状が少ない高尿酸血症

高尿酸血症の進行は、以下の3期に分けられます。

無症候性高尿酸血症期

尿酸値が高くなっているものの、痛風発作を起こしていない時期です。
自覚症状がないため、多くの方が、あまり危機感がありません。この段階で生活習慣を改善し尿酸値を下げることができれば、痛風発作を避けることも可能です。

痛風発作期

尿酸が結晶化し、足の親指の付け根の関節で、腫れ、突然の激しい痛みが発生します。
初め、痛みは数日から2週間ほどで治まります。しかし再発を繰り返すに従って、痛みが続く時間が長くなります。

慢性結節性痛風期

病状が進み、腫れ、痛みが慢性化します。その後、関節が変形することもあります。
また、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などの発症リスクが高くなります。

高尿酸血症が引き起こす病気

痛風

もっとも頻度の高い合併症です。関節の腫れ・激痛を伴います。慢性化し、関節が変形することもあります。

尿路結石症

わき腹、背中の激痛を伴います。起き上がれなかったり、のたうち回るほどの激しい痛みになることもあります。

慢性腎臓病

腎臓の機能が低下する病気です。無症状の状態で進行し、その後むくみ、貧血、倦怠感、息切れ、夜尿症などの症状が現れます。

腎不全

腎臓の機能が30%以下にまで低下した状態です。さらに放置していると、人工透析が必要になります。

その他

動脈硬化も進行することから、狭心症や心筋梗塞、脳卒中の発症リスクが高くなります。

高尿酸血症(痛風)の検査

高尿酸血症(痛風)の検査血液検査を行い、尿酸値が7.0mg/dl以上であった場合に、高尿酸血症と診断されます。
また、尿検査を行い、腎臓機能のチェック、高尿酸血症のタイプの診断を行うこともあります。

高尿酸血症(痛風)の治療法

高尿酸血症の治療には、痛風発作の予防と、尿酸値を下げること、2つの目的があります。

痛風発作の場合

炎症や痛みを緩和する対症療法を行います。ただ、痛風発作が起きているあいだは正確に尿酸値を測ることができません。症状が治まってから、尿酸値の測定と高尿酸血症の治療を行います。

高尿酸血症の場合

尿酸値を下げる治療を行い、痛風発作を予防します。ただ、急激に尿酸値を下げると、痛風発作を起こすことがあるため、計画的に、少しずつ下げていくことが大切です。
なお、糖尿病や高血圧を合併している場合には、それぞれの治療も必要になります。

食事療法

食事療法プリン体を多く含むアルコール、食品の摂取を控えます。また、体重コントロールのために野菜を積極的に摂り、高カロリー食品を控えます。

運動療法

運動療法強度の高いトレーニング、無酸素運動(短距離走、バーバル上げなど)は痛風発作を引き起こすことがあるため厳禁です。
ウォーキングなど、息切れのしない程度の有酸素運動を習慣にしましょう。

薬物療法
食事療法・運動療法で十分な効果が得られない場合には、薬物療法を導入します。
薬物療法では、尿酸生成抑制薬、尿酸排泄促進薬などを使用します。
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