動悸や息切れ・
突然苦しいと感じる
『ドキドキ』、『ドクンドクン』、『ドキッ』といったふうに心臓の鼓動を大きく感じることを「動悸」と言います。激しい運動をしたあとなど、誰でも動悸がしたり、息切れを起こしたり、苦しさを感じます。これらは通常、時間とともに落ち着き、病的なものではありません。
しかし、駅の階段の上り下りなどのちょっとした運動をしただけで、あるいは動いていないのに動悸や息切れ、突然の苦しさを感じたという場合には、狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤など何らかの異常が生じている可能性が高くなります。また、あわせて脈が速くなる「頻脈」が見られることがあります。通常の脈拍は1分間に60~100回程度とされており、101回以上になると頻脈です。
こういった症状が現れたときには、お早めに当院にご相談ください。
動悸(頻脈)にともない
このような症状はありませんか?
その場合は注意しましょう。
- 胸痛
- 冷や汗
- 吐き気、嘔吐
- めまい、ふらつき
- 息切れ、息苦しい、
呼吸困難 - 意識低下、失神
動悸に加えて息切れや息苦しさ、呼吸困難を伴う場合には「心不全」を、めまい・ふらつきを伴う場合には「血圧低下」を疑います。すぐに当院にご相談ください。
なお、動悸に加えて胸痛・冷や汗・吐き気・嘔吐・失神などを伴う場合には心筋梗塞の可能性がありますので、救急車を呼んでください。
動悸(頻脈)の症状や原因
動悸の具体的な症状、原因などをご紹介します。
動悸(頻脈)の種類
脈が速い(頻脈)
1分間の脈拍が100回以上ある状態です。
考えられる原因疾患としては、狭心症・心筋梗塞、不整脈、心不全、肺塞栓症、肺気腫、更年期障害、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などが挙げられます。
脈が遅い(徐脈)
1分間の脈拍が60回未満にある状態です。
考えられる原因疾患としては、洞不全症候群や房室ブロックなどによる不整脈が挙げられます。ただ、心配のないものも少なくありません。
脈が飛ぶ
ほとんどは不整脈の1つにあたる期外収縮によるものです。期外収縮は健康な方でも起こります。
基本的に治療は必要ありませんが、頻発する場合などは、心臓に負荷がかかるケースがありますので、治療を行います。
原因
緊張、気分の高ぶり
大勢の前で喋ったり、大舞台にあがるときなど、交感神経が優位になり心拍数が上がります。
慣れたり、その場面が終われば、速やかに軽快します。
カフェイン・アルコールの摂り過ぎ、
喫煙
カフェイン、アルコール、ニコチンはいずれも、自律神経を刺激して脈拍を速めます。
摂り過ぎは控えましょう。またできるだけ禁煙をしてください。
疾患
不整脈、狭心症・心筋梗塞、心不全、肺塞栓症、肺気腫、更年期障害、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、更年期障害、貧血、低血糖症、パニック障害、うつ病、適応障害など、さまざまな疾患が原因になります。
薬の副作用
血管を拡張する薬、副交感神経を弱め腸の働きを抑える薬などの副作用で、動悸が起こることがあります。
不整脈を伴う動悸(頻脈)
不整脈を伴う動悸がある場合には、発作性上室性頻拍、発作性心房細動などが疑われます。
特にめまい・ふらつき、失神を伴う発作性上室性頻拍の場合には、緊急対応が必要です。また、これに該当しない場合にも、心臓に負担がかかっている状態が続きますので、お早めにご相談くださいますようお願いします。
動悸(頻脈)の検査
動悸が認められる場合には、以下のような検査を行い、診断します。
心電図検査
心臓からの微弱な電気信号を測定し、波形として表示します。不整脈、狭心症、心筋梗塞、心肥大などの有無が調べられます。
24時間ホルター心電図検査
小型の装置を装着し、ご自宅での24時間の連続した心電図波形を記録します。クリニック内での心電図検査では分かりにくい不整脈の頻度、疾患の有無などを調べられます。
超音波検査(心エコー検査)
超音波を心臓に当て、その跳ね返りを画像化する検査です。心臓の大きさや動き、さらには弁膜症・心不全の有無などが分かります。
動悸(頻脈)の治療
薬物療法
抗不整脈薬、抗凝固薬など、病状に応じた薬を処方します。
生活習慣の改善
軽度の頻脈であれば、食事・運動習慣の改善によって治療ができることがあります。
十分な睡眠をとること、禁煙することも大切です。
カテーテル治療
薬物療法で十分な効果が得られない場合には、カテーテル治療が必要になります。
連携医療機関(徳島大学病院・徳島県立中央病院・徳島赤十字病院・徳島市民病院など)へ、速やかにご紹介いたします。
動悸(頻脈)を感じるときに
どの診療科へ受診すべき?
動悸が繰り返される、あるいは安静にしているのに動悸がするというときには、受診が必要です。
循環器内科の受診が理想だと思われますが、内科でも診療してもらえます。
動悸(頻脈)Q&A
ときどき頻脈になります。どんな頻脈だったら、受診した方がいいのでしょうか?
激しい運動をしたとき、緊張したときのみ頻脈になる場合には、基本的に心配いりません。
しかし、1分間に120回以上の頻脈が見られるとき、120回以下であっても他の症状があるとき、安静にしているのに頻脈が現れるときには、何らかの病気が隠れている可能性がありますので、受診してください。
階段を使っただけなのに、動悸がします。歳のせいでしょうか?
そのような日常的な軽い運動によって動悸や息切れがある場合には、「心臓弁膜症や狭心症」が疑われます。
心臓に負担が起こっているため、運動時に動悸、胸痛、胸の圧迫感などが生じます。重症化するおそれがありますので、お早めに当院にご相談ください。
頻脈が起こりやすいのは、どのような人ですか?
冠動脈疾患、心不全、狭心症・心筋梗塞などの心臓の病気がある人、生活習慣が乱れがちな人は、頻脈を起こしやすいと言えます。
当院では、循環器内科だけでなく内科にも対応しておりますので、安心してご相談ください。
動悸がしたら、どうすればいいですか?
まずは楽な姿勢をとってください。横になるのが理想的です。そして深呼吸をして、様子を見ましょう。落ち着いてから、受診してください。
ただし、動悸に加えて胸痛・呼吸困難を伴う場合には、すぐに救急車を呼んでください。
受診時には、どのようなことを伝えればいいですか?
動悸が現れた時期、1回あたりの時間、頻度、動悸以外の症状の有無、脈拍の状態(速い・遅い・飛ぶ)などが分かれば大切な情報となります。
健康診断で不整脈を指摘されました。他に症状はないのですが、受診した方がいいでしょうか?
不整脈に加えて、動悸、めまい、失神などの症状がないのであれば、それほど心配する必要はありません。
しかし、不整脈の種類や原因をはっきりさせておくことが大切ですので、一度当院で精密検査を受けられることをおすすめします。